個人住民税(特別徴収)とは

個人住民税は、個人が負担する地方税の一種で、前年度の所得に応じて税額が決まります。納付方法は普通徴収と特別徴収の2つあります。

普通徴収は、納税者が自ら市区町村に納める納税制度です。個人に直接、納税通知書が送付され、それに基づいて個人が年4回(6月・8月・10月・翌年1月)に分けて納付します。なお、事業主(給与支払者)は特別徴収を行う義務がありますが、特別徴収対象の従業員が2名以下の場合は普通徴収の選択も認められます。

特別徴収は、毎月従業員に支払う給与から個人住民税を天引きし、事業主(給与支払者)が従業員(納税義務者)に代わり、各市区町村に納税する制度です。住民税額は前年の所得で決まり、6月支給の給与から天引き開始し、翌年5月支給の給与から12回目の天引きを行い、1年分の住民税の徴収が完結します。

特別徴収で毎月の給与から天引きした住民税は、翌月10日までに各市区町村へ納付します。
(例:6月支給の給与から天引きした住民税は、7/10までに納付が必要)

住民税(特別徴収)は、eLTAX(地方税の電子申告・納税システム)とインターネットバンキングを用いた電子納付ができるので、ここでは電子納付の方法をまとめています。

特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)を準備

まず、各市町村から届いた特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)を準備します。住民税の納付は、特別徴収を選択した従業員の居住する全ての市区町村に行う必要があるため、5月中に対象となる各市区町村から特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)が届きます。

特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)には、6月から翌年5月までに徴収すべき個人住民税額(年税額及び月割税額)が記載されています。

eLTAXにログイン

電子納付を行うためには、先にeLTAX上で納付情報の発行を行います。

eLTAX ログインURL
https://www.portal.eltax.lta.go.jp/apa/web/webindexb#eLTAX

ログインには「利用者ID」「暗証番号」が必要ですが、通常は顧問税理士が「利用者ID」「暗証番号」を取得し、その情報を管理しています。

提出先の市区町村の登録状況を確認

納付情報を発行する前に、提出先の市区町村がeLTAXに登録されていることを確認します。従業員が増えた場合など、必要に応じて提出先の追加を行います。確認・追加方法は以下の通りです。

使用するメニュー
eLTAXのメインメニュー画面より、「提出先・手続き変更」メニューを選択します。

提出先の確認
現在登録されている提出先情報が一覧に表示されますので、申告税目「個人都道府県民税・市区町村民税(特徴)」として登録されている市区町村に漏れがないことを確認します。

追加が必要な市区町村が存在する場合は、提出先を追加します。
画面右下の「追加」をクリックすると、提出先の追加手続を行うことが出来ます。

提出先の追加手続
「提出先選択」で「都道府県/市町村」や「申告税目」、「区・事務所等」を指定し、「検索」をクリックすると、画面中央に提出先情報の一覧が表示されます。
検索する際、申告税目は「個人都道府県民税・市区町村民税(特徴)」を選択します。

画面中央に表示された提出先候補一覧で、追加する提出先情報を選択して「追加」をクリックすると、選択した提出先・手続き情報が画面下部の「追加対象提出先」に追加されます。

「追加対象提出先」に追加された提出先を選択し、画面下部で「課税地」および「事業所名」を入力したうえで、「反映」ボタンをクリックします。
ここで入力する課税地は、事業所の所在地となります。

反映が完了したら、画面右下の「次へ」ボタンをクリックし、送信を行います。
これで提出先の追加は完了です。

納付情報の作成

「メインメニュー(ログイン)」画面で「納税メニュー」をクリックします。

表示された「納税メニュー」画面から「個人住民税(特徴)」をクリックします。

納付情報作成方法選択画面で「手入力による作成」を選択し、納入対象年度を入力したうえで、「次へ」をクリックします。
(2回目以降は、「過去の納付情報をもとにして作成」を選択することで、以降の作業を大幅に短縮することが可能です。)

納入対象年度の入力:
住民税は6月に新年度が始まる仕組みのため、令和4年6月分~令和5年5月分の納入対象年度は令和4年度となり、令和5年6月分~令和6年5月分の納入対象年度は令和5年度となります。

納付・納入金額一覧画面で、「納付・納入金額入力(総括表)」の利用者名、住所を入力します。
(半角文字・半角スペースは入力できないので注意)

納付・納入金額入力(明細)の下に表示されている「追加」をクリックし、明細情報の入力を行います。
⇒提出する市区町村ごとに、明細を作成する必要があります。

明細情報入力画面で、特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)をもとに、以下の項目を入力します。
・地方公共団体
・区・事務所等
・指定番号
・納入対象年月
入力後、「納付・納入金額入力」をクリックします。

特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)をもとに、「個人住民税(特徴徴収)」の部分に金額を入力します。
複数の従業員分を同一の市区町村に納付する場合は、当該市区町村に対する納付総額を記載します。

金額入力後に、画面右下の「確定」ボタンをクリックします。
この明細作成を、提出が必要な市区町村の分だけ繰り返します。

全ての市区町村分が完了した後に、「納付・納入金額一覧」画面右下の「次へ」をクリックします。

納付・納入金額を確認し、「送信」をクリックして納付情報の発行依頼を送信します。

納付情報の確認・ペイジーでの電子納付

納付・納入金額を送信しただけでは、まだ納付は完了していないので、引き続き納付手続を実施します。

「メインメニュー(ログイン)」画面で「メッセージ照会」をクリックします。

メッセージ一覧の中に、先ほど発行依頼を送信した直後の日時で、「納税情報発行結果」というメッセージを受信していることを確認し、当該メッセージを開きます。

メッセージ内に、<ペイジー納付情報>が記載されておりますので、こちらを利用してネットバンクにてペイジー納付を行います。