ここでは、法人口座をどのような基準で選べばいいのかを説明し、ネット銀行・ゆうちょ銀行・メガバンク・地方銀行・信用金庫の比較を行います。
当会計事務所では
・ネット銀行で1口座(手数料が安く使い勝手が良い)
・地方銀行又は信用金庫で1口座(口座振替や融資)
・必要に応じてメガバンクで1口座(社会的信用力など)
を開設することを推奨しています。
なお、GMOあおぞらネット銀行は法人設立後1年間は毎月20回まで口座振込手数料が無料になるキャンペーンを実施しています。
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法人口座を選ぶ主な基準
ネットバンキング
・法人口座ではネットバンキングが有料であることが多く、毎月発生するコストになります。
・月額料金が低いプランであれば、WEB明細の参照期間が非常に短く設定されています。
⇒ネット銀行はネットバンキングが無料で参照期間も長いという特徴があります。
⇒楽天銀行は2022年2月24日からfreeeとの口座連携が非対応です。
他行への振込手数料
・銀行振込での支払いが多い場合、振込手数料も相当なコストになります。
⇒ネット銀行は振込手数料が安い傾向にあります。
Pay-easy(ペイジー)
・Pay-easy(ペイジー)に対応していると、ネットバンキングで税金、社会保険料、労働保険料などの支払いが可能です。
⇒主要ネット銀行のうち、住信SBIネット銀行は非対応です。
口座振替
・社会保険料や労働保険料は口座振替が利用できます。また、税金はダイレクト納付(電子申告情報を利用して口座から引き落とす方法)で支払うことができます。
⇒メガバンクの対応状況が最も良く、ゆうちょ銀行・地方銀行・信用金庫は一部非対応、ネット銀行は基本的に非対応です。
口座開設の難易度・社会的信用力
・メガバンクは口座開設の難易度が高いですが、メガバンクの口座があれば取引先からの信用力を高めることができます。
・ネット銀行・ゆうちょ銀行・地方銀行・信用金庫は、創業期でも口座開設が比較的容易です。
融資
・融資を受ける場合は、支店の場所を考慮する必要があります。また、メガバンクは大きな企業、地方銀行は中規模企業、信用金庫は中小企業や個人事業を主な融資対象としています。
【地方銀行・信用金庫】
・地方銀行や信用金庫は地域が限定されますが、創業期でも融資が受けやすい傾向にあります。なお、信用金庫については、融資を受ける際に原則として出資をする必要があります。
【メガバンク】
・メガバンクは全国展開しているものの、融資の難易度が高く、融資を受けた後も業績が悪くなると早期に見切りをつけて資金回収に動く傾向にあります。
【ネット銀行】
・ネット銀行は融資相談を受けられず、上限金額も低く返済期間が短期であることが多く、創業期の融資には向いていません。
・日本政策金融公庫から融資を受ける場合、ネット銀行の口座には入金できません。
・経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の加入を取り扱っていません。
【ゆうちょ銀行】
・ゆうちょ銀行は法人融資を行っていません。
・経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の加入を取り扱っていません。
その他
・楽天銀行では楽天関連、PayPay銀行ではPayPayやYahoo!関連といった具合に、優遇を受けられるサービスがあります。
・海外送金等の特殊な取引を行う場合は、その対応状況や手数料を考慮する必要があります
メリット | デメリット | |
ネット銀行 |
・24時間365日ネットバンキングが利用可能 |
・取引先から信用力を低く見られることがある ・日本政策金融公庫の融資の入金口座にできない ・社会保険、労働保険、税金の口座振替に非対応 ・中小企業倒産防止共済の加入に非対応 |
ゆうちょ銀行 |
・全国に支店がある |
・預金の上限が1,300万円 ・法人融資に対応していない ・労働保険の口座振替に非対応 ・中小企業倒産防止共済の加入に非対応 |
メガバンク |
・対応サービスの幅が広い ・取引先からの信用力が高まる |
・口座開設の難易度が高い ・中小企業の融資に消極的 |
地方銀行 |
・信用金庫の次に中小企業でも融資に柔軟に対応してもらえる |
・地域が限定されている ・金利がやや高い |
信用金庫 |
・中小企業でも融資に柔軟に対応してもらえる |
・地域が限定されている ・金利が高い ・融資の際に出資が必要 |
法人口座の比較
具体的に、各金融機関を比較すると以下のようになります(金額は全て税込)。
ネット銀行
・PayPay銀行とGMOあおぞらネット銀行は振込手数料が安く、Pay-easy(ペイジー)に対応しているのが長所です。
・楽天銀行は2022年2月24日からfreeeとの口座連携が非対応なので要注意です。
・住信SBIネット銀行はペイジー非対応なので、税金や社会保険料の電子納税ができません。
なお、GMOあおぞらネット銀行は法人設立後1年間は毎月20回まで口座振込手数料が無料になるキャンペーンを実施しています。
下記の特別キャンペーンURLから口座開設すると、上記に加えて6か月間 毎月10回の口座振込手数料が無料になります(新設法人でなくても対象。新設法人の場合は最大月30回無料)。

ネットバンク 月額料金 |
他の金融機関宛の 振込料(3万円以上) |
Pay-easy (ペイジー) |
社会保険・労働保険 ・税金の口座振替 |
|
楽天銀行 | 無料 | 229円 | 対応 | 非対応 |
PayPay銀行 | 無料 | 160円 | 対応 | 非対応 |
GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 145円(無料特典あり) | 対応 | 非対応 |
住信SBIネット銀行 | 無料 | 145円(無料条件あり) | 非対応 | 非対応 |
楽天銀行
https://www.rakuten-bank.co.jp/business/howto/interest.html
PayPay銀行
https://www.paypay-bank.co.jp/business/fee/transfer.html?cr=ba_ss11v
住信SBIネット銀行
https://www.netbk.co.jp/contents/hojin/charge/
GMOあおぞらネット銀行
https://gmo-aozora.com/business/contents/fee.html
ゆうちょ銀行・メガバンク
・ネットバンキングが無料で利用できるプランのある三井住友銀行がおすすめです。みずほ銀行は避けましょう。月額3,300円のビジネスWEBの入出金明細に預金残高が表示されず、非常に使いにくいです。Macユーザーは三菱UFJ銀行も避けましょう。マネーフォワードクラウド会計やfreeeへの自動連携ができません(Windowsなら問題ありません)。
ネットバンク 月額料金 |
他の金融機関宛の 振込料(3万円以上) |
Pay-easy (ペイジー) |
社会保険・労働保険 ・税金の口座振替 |
|
ゆうちょ銀行 |
550円(+初期費用5,500円) |
165円 | 対応 | 労働保険に非対応 |
三菱UFJ銀行 | 1,760円~ | 660円 | 対応 | 全て対応 |
三井住友銀行 | 無料~ |
330円 |
対応 | 全て対応 |
みずほ銀行 | 3,300円~ | 660円 | 対応 | 全て対応 |
ゆうちょ銀行
https://www.jp-bank.japanpost.jp/hojin/smart/bizdirect/hj_smt_bd_ryokin.html
三菱UFJ銀行
https://bizstation.bk.mufg.jp/service/ryoukin.html
三井住友銀行
https://www.smbc.co.jp/hojin/eb/web21/ichiran.html
みずほ銀行
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/ebservice/account/b_web/index.html
地方銀行
・東京、神奈川、千葉、埼玉の地方銀行を比較しています。なお、地方税の口座振替には、通常その地域の地方銀行のみが対応しているので注意が必要です。
ネットバンク 月額料金 |
他の金融機関宛の 振込料(3万円以上) |
Pay-easy (ペイジー) |
社会保険・労働保険 ・税金の口座振替 |
|
きらぼし銀行 | 2,200円〜(照会は無料) | 550円 | 対応 |
対応 |
横浜銀行 | 2,200円〜(照会は無料) | 550円 | 対応 |
対応 |
千葉銀行 | 2,200円~ | 330円 | 対応 | 対応 |
武蔵野銀行 | 2,200円~ | 605円 | 対応 | 対応 |
きらぼし銀行(東京177拠点、神奈川50拠点)
https://www.kiraboshibank.co.jp/hojin/kouritsuka/biz-net/fee.html
横浜銀行(神奈川564拠点、東京76拠点)
https://www.boy.co.jp/hojin/eb/service/fee01.html
千葉銀行(千葉440拠点、東京19拠点)
https://www.chibabank.co.jp/webeb/about/
武蔵野銀行(埼玉93拠点)
http://www.musashinobank.co.jp/fee/
信用金庫
・東京、神奈川、千葉、埼玉の信用金庫を比較しています。なお、地方税の口座振替には、通常その地域の信用金庫のみが対応しているので注意が必要です。
ネットバンク 月額料金 |
他の金融機関宛の 振込料(3万円以上) |
Pay-easy (ペイジー) |
社会保険・労働保険 ・税金の口座振替 |
|
城北信用金庫 | 1,100円~ | 330円 | 対応 | 対応 |
城南信用金庫 | 1,100円~ | 440円 | 対応 | 対応 |
横浜信用金庫 | 1,650円~ | 660円 | 対応 | 対応 |
千葉信用金庫 | 1,100円~ |
440円(5万円以上) |
対応 |
対応 |
埼玉縣信用金庫 | 2,200円~ | 605円 | 対応 | 対応 |
城北信用金庫(東京北部~埼玉南部)
https://www.shinkin.co.jp/johoku/online/webfb/service/index.html
城南信用金庫(東京南部~神奈川北部)
https://www.jsbank.co.jp/support/commission/other.html
横浜信用金庫(神奈川)
https://www.yokoshin.co.jp/_other/fee/
千葉信用金庫(千葉)
https://www.shinkin.co.jp/chibaskb/ib_houjin/service/index.shtml
埼玉縣信用金庫(埼玉)
https://www.saishin.co.jp/tesuryo/#plink09
法人口座の審査のポイント
法人口座の開設には審査があります。口座開設にあたって、審査に通りやすい条件を整えておきましょう。
資本金
・資本金が小さいと審査に不利になります。資本金は最低でも100万円に設定しましょう。
固定電話
・固定電話番号を持っていると審査に通りやすくなります。また、一部の銀行では携帯電話番号での申し込みができないため、固定電話や050-IP電話の利用が必須になります。
オフィス
・会社住所は個室空間のあるオフィスの方が審査に通りやすくなります。一方、会社住所が自宅やシェアオフィスの場合は審査に通りにくくなります。
ホームページ・独自ドメイン
・しっかりとした自社ホームページがあると審査に通りやすくなります。ホームページは口座開設までに公開し、その際、独自ドメインのメールアドレスも取得しましょう。
事業目的
・会社設立時に定款に事業目的を記載しますが、事業目的がある程度限定されていて、何をする会社なのか明確な方が審査に通りやすくなります。事業目的は10項目程度までに収めましょう。
事業活動を示す資料
・事業が実際に行われていることを示す資料を求められることがあります。その場合は、資料を準備できるまで口座開設を待つ必要があります。